5 事務室の対応

5.1 ライフラインの確保について

5.1.1 水道、電気、ガス

この度の未曾有の地震災害は、ライフラインに大きな被害を与えた。
本校では、電気・ガスについては、震災後早期に回復したが、水道については、被害が殆どない地域にもかかわらず回復は遅かった。
早期の授業再開に向け、特に水道復旧の情報や復旧工事の進捗に応じた給水時間の把握を行い、受入態勢の時期等を検討した。給水状況把握の結果1月30日には通常の給水にもどり授業再開が可能となった。被災地の水道は、3月末ごろほぼ復旧された。
電気は、1月23日送電可能な家屋への通電が復旧された。
ガスは、4月11日被災地全域で復旧工事完了が発表された。

5.1.2 交通

鉄道については、JRは、新幹線の西明石付近で、また、東海道線の住吉~灘間で高架橋倒壊、他区間ではホーム等の損傷があったが、1月25日には、甲子園口~芦屋間が運行再開、4月1日には、東海道線が全通。4月8日には、山陽新幹線が全線開通した。
阪急電車は、西宮北口~三宮間で橋脚・高架橋等に被害があり逐次区間が復旧され6月12日に全線が開通した。
阪神電車は、甲子園~元町間で高架橋倒壊があり、逐次区間が復旧6月26日の西灘~御影間を最後に全線が開通した。
神戸市営地下鉄は、板宿~新神戸間がトンネル損傷のため不通となった。2月16日に全線の運行が可能となったが、駅舎補修のため一部の駅が通過となった。3月31日の上沢駅再開により全線が開通した。
神戸新交通は、ポートアイランド、六甲アイランドの両線とも高架橋倒壊により、全線不通となっていたが、5月12日に六甲ライナーが、同じく22日には、ポートライナーがそれぞれ島内運転が再開された。その後、ポートアイランド線が7月31日に、六甲アイランド線が8月23日に復旧完了し、全線が開通した。
神戸電鉄は、2月7日に鈴蘭台~長田間が、6月22日には湊川~長田間の復旧により全線が開通した。
山陽電車は、西代~滝の茶屋間が6月18日に復旧完了し、全線が開通した。
神戸高速鉄道は、板宿~高速長田間が6月18日に、高速長田~新開地間が8月13日に復旧完了し、全線が開通した。

5.2 防災指令について

5.2.1 防災指令とは

防災指令は、災害が発生しそうなとき、または発生したとき、災害の規模、種類、発生時間等に応じて必要な防災体制をとるため、市長が、職員に対して出す命令である。(神戸市防災指令規程)

5.2.2 防災指令の種類

防災指令の種類を表5-1に示す。

表5-1 防災指令の種類
種類 発令基準 配置に付くべき職員 活動内容
連絡員待機指令 気象予報警報に基づきいまだ防災指令第1号を発令するには至らないが、今後の連絡を緊密にする必要があると認められるとき 局等の長があらかじめ定める職員(必要と認める場合は、そのつど定める職員) 気象予警報、防災指令等の伝達
防災指令第1号 災害が発生する恐れがあるが、発生の時期、災害の規模等の予測が困難なとき 同 上 防災のための警戒及び情報の収集
防災指令第2号 災害が発生する恐れがあるとき又は小規模な災害が発生したとき 同 上 予想される災害に対処するための準備処置又は発生した災害に対する応急措置
防災指令第3号 大規模な災害が発生する恐れがあるとき又は大規模な災害が発生したとき 同 上 同 上

5.2.3 発令の方法

全職員に対して発令される場合 全市防災指令第○号
全市連絡員待機指令
水防関係部局の職員に対して発令される場合
(水防関係部局とは、総務局、民生局、農政局、土木局、下水道局、港湾局、消防局、区役所)
水防関係部局
 防災指令第○号
水防関係部局
 連絡員待機指令
指定する部局の職員に対し発令される場合 ○○局防災指令第○号
○○局連絡員待機指令

5.2.4 災害対策本部の部及び区本部

部長 部となる局等
学校部 教育長 教育委員会事務局 1. 児童・生徒等の保護及び応急教育に関すること
2. 教育施設の防災及び復旧に関すること
3. 災害救助法に基づく学用品の給与に関すること

5.2.5 出務体制

防災指令種類 配置につくべき職員
第1号発令 1名
第2号発令 2名
第3号発令 全員

5.2.6 連絡網

防災指令発令の連絡を行うのに連絡網を設置する。

5.2.7 収容避難所の開設

災害が発生した場合、または避難指示等が行われた場合には、区長は、直ちに収容避難所を開設し、収容・保護を実施するものとする。
収容避難所は、原則として公立小中学校の建物を使用するが、地域の状況により私立の学校、公会堂、公民館、その他の公共施設をこれにあてはめるものとする。
区本部長は、その施設管理者にあらかじめ承諾を得ておくものとする。また、開設した時は、すみやかに施設管理者に連絡するものとする。ただし、急迫の場合、直ちに開設し、事後に連絡し了解をえるものとする。

5.3 他部局への支援状況について

5.3.1 避難所開設

西区役所災害対策本部(伊川谷出張所)より、1月19日に避難所開設の依頼があった。本校では玄関ホールに開設したが利用者はなかった。

5.3.2 施設提供

○ 水道局垂水センターの復旧救援隊受入(武道場;2月2日)
○ 企業ボランティアによる罹災証明電算入力事務作業(一般科棟教室4月3日~5日)

5.3.3 災害関連応援派遣

以下の日程で、事務・技術職員が交代で従事した。

○ 東灘区対策本部と灘区鷹匠中学校避難所
  (6月1日~7月31日;各1名、1~2日間)

○ 避難所個別相談
  (7月1日,2日;各1名、1日:六甲小学校)
  (8月24日;1名:王子スポーツセンター)

○ 灘区西灘小学校避難所と義援金
  (教育助成金)交付事務
  (8月1日~8月31日;各1名、1~2日間:市立博物館)

○ 第3次義援金(住宅助成)配布事務
  (10月11日,12日;各1名、1日:神戸市民福祉交流センター)

○ 災害援護資金貸付事務
  (10月16日~11月10日;12月1日;12月7日,8日;各1名、1日:神戸市民福祉交流センター)

○ 仮設住宅入居実態調査
  (12月10日,12日;1名、2日間:ポートアイランド第6仮設住宅)

5.4 教育委員会災害復興対策にかかる組織体制について

平成7年4月1日付で、本校の事務担当者(1名)が、総務部管理課兼務(学校施設改修部施設管理班)をすることになった。

5.5 仮設住宅建設の協力について

本市では、被災者に対して仮設住宅を市内外に23,042戸を建設し、7年1月末から5月中旬までに4回にわたる募集を行った。さらに、不足分として避難所解消時期の7月末完成に向け、8,814戸の追加建設を行った。
追加建設にかかる用地の確保が困難なところ、本校にも協力要請があり、グランドの提供を行った。
規模は、敷地:グランド南側約1/3(約8,000m2)、戸数:146戸(15棟)、住宅:1Kタイプ(約20m2

5.6 後援会の取り組みについて

後援会では、被災学生を援護するため災害救援義援金の募集を行った。

5.7 お見舞いについて

各方面から、本校の被災学生に対し、義援金、義援物品、励ましの手紙等が寄せられた。これらの浄財については、校内の教職員の代表による「義援金管理委員会」で、寄せられた趣旨に沿って、被災学生251名に対して交付を行った。

(事務室)

写真5-1 グランドに建設された仮設住宅の遠景
写真5-1 グランドに建設された仮設住宅の遠景