神戸市立工業高等専門学校

２　被災状況

　本校は、移転新築が平成2年度と間もないことと、地震の揺れの少ない地域であったことにより被害はあまり大きくなかった。また、人身災害については、幸いにも死傷者はなかった。

2.1 校舎の被災状況

施設名	被　災　状　況
体育館	天井板はく離
学科棟	エキスパンション破損専門科棟吊天井落下各所建具周り亀裂
屋外施設	床タイル亀裂等

2.2 各学科実験室等の被害状況

［学科名：一般科］

施設名		被　災　状　況
(英語科)	柳生研究室	テレビ破損
(国語科)	吉川研究室	ビデオデッキ破損
(国語科)	小早川研究室	テーブル破損
(人文・社会)	高橋研究室	パソコン・テレビ・プリンタ破損
(理科)	物理階段教室	扉及び天窓のゆがみ
	工学実験室(暗室)	扉のゆがみ
	化学準備室	直示天秤破損薄層クロマトグラフィ分子量測定装器
	器具薬品室	電気定温乾燥器
	廊下壁	壁はく離
(数学)	藤田研究室	プリンタ破損
	松本研究室	計算機一部故障
	石塚研究室	エアコンパネル破損テーブル破損

（一般科主任　藤田利明）

［学科名：都市工学科］

施設名	被　災　状　況
日下部研究室	パソコンプリンタ破損
辻本研究室	ディスプレイ破損
橋本研究室	ワープロ故障、ディスプレイ破損
新家研究室	ワープロ故障
高科研究室	書庫、パソコン一部破損
中西研究室	ロッカーのガラス破損
構造実験室1F	万能試験機油もれ、耐圧試験機リミットスイッチ故障
測量準備室1F	レベル故障
土質実験室2F	粒度分布・攪拌装置故障水槽クラック
衛生実験室2F	メスシリンダ等ガラス器具破損
水理実験室	急勾配水路損傷

（都市工学科主任　新家徹）

［学科名：機械工学科］

施設名	被　災　状　況
知能情報実験室	窓周辺に多数の割れが発生
材料学実験室	金属顕微鏡2台、実体顕微鏡1台が、実験台より落下
恒温室	ディスプレイが床に落下、プラスチックが破損
制御工学実験室２	壁のいたるところにひびが入った
生産加工３実験室	窓下１ｍ、窓と柱との間に斜めに２ｍ亀裂柱のコンクリート一部落下
CAD室	ディスプレイ10台落下、内1台プラスチック部分破損
精密計測実験室	マグネスケールが棚の上から落下、割れて使用不能
制御工学１実験室	フロッピーディスクドライブが転倒及び落下により使用不能
制御工学１準備室	扇風機が転倒により破損、壁にひび割れが多数
応用物理実験室	扇風機が転倒により破損、窓の回りに亀裂多数
材料強度実験室	疲労試験機の負荷制御アンプが微調整不良となった
システム工学実験室	プリンタ破損
機械工場	三次元測定機が移動、調整要
元律研究室	転倒により書庫のガラス破損、ガラス戸が変形パソコンプリンタの用紙送り部分破損
小久保研究室	転倒により書庫のガラス破損、机の引き出し損傷
辻井研究室	ディジタル時計がテーブルより落下使用不能蛍光灯スタンドが机より落下破損本立てが倒れ破損
杉森研究室	ディスプレイ使用不能
中辻研究室	スチール書庫の上部が落下ガラス破損、全体変形
赤対研究室	転倒により書庫のガラス破損、ガラス戸が変形小型ロッカーが倒れて変形倒れたロッカーの角で床のビニールが直径1cm傷発生
長研究室	ディスプレイ損傷
田口(秀)研究室	はがきフィーダ落下し破損
石崎研究室	プリンタの上に鉢植えが落下印字不良キーボード上に鉢植えが落下タイプ不良

（機械工学科主任　高崎正之）

［学科名：電子工学科］

施設名	被　災　状　況
クリーンルーム	壁に多数のひび割れが発生
通信工学実験室	コンピュータのモニターが破損

（電子工学科主任　前田修一）

［学科名：電気工学科］

施設名	被　災　状　況
電力工学１実験室	外壁(ひび割れ)
電力工学２実験室	入口枠・窓枠、周辺(ひび割れ)
電気機械１実験室	入口枠・窓枠、周辺(ひび割れ)
準備室(1F)	入口枠周辺(ひび割れ)
電気機械２実験室	入口枠・窓枠、周辺(ひび割れ)
暗室１	ボンベメータ(破損)
器材室	入口枠周辺・外壁、(ひび割れ)
準備室(2F)	入口枠周辺(ひび割れ)
電子工学１実験室	入口枠・窓枠周辺、窓下壁(ひび割れ)
制御工学実験室	入口枠周辺(ひび割れ)
通信工学実験室	窓枠周辺・部屋の角(ひび割れ)、ディスプレイ(破損)
準備室(2F)	入口枠周辺・窓下壁(ひび割れ)
卒研室１	ディスプレイ1台(破損)
電気応用実験室	天井空調機(位置ずれ)
津吉研究室	上置き棚1台(破損)
卒研室5	ページプリンタ１台(破損)
尼子研究室	ディスプレイ1台(破損)
会議室	空調機吸い込み口周辺(破損)
廊下	掲示板(落下)

（電気工学科主任　吉永元一）

［学科名：応用化学科］

　研究室や実験室では書棚、器具棚、薬品棚などが転倒し多くの装置、器具、薬品類が落下して破損していた。また、パソコン、天秤、機器類の多くが転倒及び落下物による衝撃で使用不能あるいはかなりの修理を要するなど大きな被害を生じた。
　研究室では、書棚やパソコンなどが散乱しており足のふみ場もない程であった(写真1)。
　実験室や卒研室では、4階の有機化学実験室、卒研室4及び5が特に大きな被害を受けた(写真2-2、2-3)。ロータリエバポレーター(4台)、オートスチール(1台)などが破壊され、実験器具、薬品類のかなりの量が破損した。また、天井のあちらこちらで脱離しており、ドラフトチャンバーのダクト(写真2-4)や実験台等の移動による排水管の破損もかなりあった。
　天秤室では数台の直示天秤や化学天秤が落下により大破し修理不能の状態であったが、除震台に備えてあった天秤には全く被害がなかったのは幸いであった。他には、ボンベの転倒による圧力調整器の破損がいくつかあったが、大半がボンベ転倒防止鎖の設置を行っていたので大事には至らなかった。また、薬品類による火災が最も心配されたが、一件の火災もなく幸いであった。
　次に応用化学科の設備・備品等の被災概況の主なものをまとめた(表2-1)。

表２－１　応用化学科の主な被災状況

実験室名	施設・設備等	被災状況
有機化学実験室(4F)	ロータリーエバポレーター(2台) スチールロッカー	落下による破損(修理不能) 転倒による破損(修理不能)
卒研室5(4F)	ロータリーエバポレーター温風定温乾燥器ドラフトチャンバー実験台	落下による破損(修理不能) 落下による破損ドラフト上部のダクトの脱離及び排水管の破損
卒研室4(4F)	オートスチール圧力調整器実験台天井付近	落下による破損(修理不能) 転倒による破損(修理不能) 排水管の破損空調ダクト及び周辺の破損
技術職員室(4F)	天井付近	空調ダクト及び周辺の破損
天秤室(3F)	直示天秤化学天秤(5台)	落下による破損(修理不能) 落下による破損(修理不能)
無機化学実験室(3F)	スチールロッカードラフトチャンバー	転倒による破損(修理不能) 排水管の破損
計測機器室3(2F)	オートスチール	落下による破損
化学工学実験室1(1F)	気液平衡蒸留試験装置	転倒による破損
研究室	ディスプレイ(2台) スチール書庫(数台)	落下による破損転倒による破損(修理不能)
その他	実験ガラス器具(数百点)	転倒・落下による破損