【 2024 年度 授業概要】
科   目 哲学A ( Philosophy A )
担当教員 李 明哲 非常勤講師
対象学年等 全学科・5年・前期・選択・1単位【講義】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
C3(80%), D2(20%)
授業の概要
と方針
私たちが日常で無意識に受け入れたり信じたりしている法則や常識の中には,大きな哲学的問いが含まれています.この授業では,有名な哲学者たちが,独自の視点と方法で考え抜いた〈問いと答え〉の連鎖を概観し,哲学において「なぜそれが問題となるのか?」「どうしてそういう考え方をするのか?」などの思考パターンを学んでいきます.



1 【C3】 日常に隠された哲学的問いを自分で見つけ出し,哲学的に考えるためのモデルを獲得すること.
2 【D2】 哲学に欠かせない思考法や概念についての理解を深め,自分の考えをより明確に表現できるようになること.
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1 日常に隠された哲学的問いを自分で見つけ出し,哲学的に考えるためのモデルを獲得することができるか,小テストと定期試験で評価する.
2 哲学に欠かせない思考法や概念についての理解を深め,自分の考えをより明確に表現できるか,小テストと定期試験で評価する.
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成績は,試験80% 小テスト20% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.小テストは,授業で登場する,哲学の基本的概念を正しく理解していることを確認するために実施する.その理解のもと,試験では,自分なりの考えに結びつける.
テキスト こちらでプリントなどを用意します.
参考書 貫成人『哲学マップ』ちくま新書,2004年
熊野純彦『西洋哲学史 古代から中世へ』岩波新書,2006年
熊野純彦『西洋哲学史 近代から現代へ』岩波新書,2006年
畠山 創『大論争! 哲学バトル』 KADOKAWA,2016年
その他,授業で紹介します.
関連科目 倫理
履修上の
注意事項
なし

【授業計画( 哲学A )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 イントロダクション 哲学を学ぶとはどういうことか?
生活で「当たり前」とされることを具体例にしながら,「哲学」という学問がどのように問い,考えるのかについて,おおまかなイメージが得られるようする.
2 古代ギリシア哲学:ソクラテス登場まで
古代ギリシアの哲学者たちによる,「万物の根源」などを問う,独特な世界観を理解できるようにする.
3 古代ギリシア哲学:ソクラテス,プラトン
「無知の知」や「対話」を通じて,「〜とはなにか?」という本質に迫ろうとするソクラテスの考えを理解できるようにする.また,その弟子であるプラトンが提唱した「イデア」という概念を学ぶ.
4 古代ギリシア哲学:アリストテレス     
「目的因」などが登場する理論哲学から,「美徳」を追い求める実践哲学まで,幅広いアリストテレスの哲学のエッセンスを学ぶ.
5 中世哲学:トマス・アクィナスなど
「神学と哲学」の関係をテーマに活躍した中世の哲学者たちが,後世に与えた影響力などを理解できるようにする.
6 ここまでのまとめ 小テスト
ここまでの哲学概念などの理解度を確認し,復習する.
7 近世哲学:デカルト(1)
「我 思うゆえに 我あり」で有名な「方法的懐疑」について,理解できるようにする.
8 近世哲学:デカルト(2)
「主観/客観」という二項対立の世界観や,「心身問題」など,デカルト哲学のエッセンスを理解できるようにする.
9 大陸合理論:ライプニッツ
数学者,外交官など多彩に活躍しながら,哲学者としては「経験より知性を重視する」大陸合理論であったライプニッツ.「モナド論」などの要点を理解できるようにする.
10 大陸合理論:スピノザ
大陸合理論でありながらも,これまでのキリスト教的世界観にはとどまらない,スピノザの「神=自然=世界」(汎神論)という哲学の要点を理解できるようにする.
11 イギリス経験論:ロック
医者でありながら市民社会について考え,「知性は経験によって成り立つ」というイギリス経験論の哲学の立場をつくった,ロック哲学の要点を学ぶ.
12 イギリス経験論:バークリー
すべての存在は,経験的な知覚によって説明されなければならないとする,バークリーの哲学の要点を理解できるようにする.
13 イギリス経験論:ヒューム
人間とは「知覚の束」であるとして,因果関係や「自我」についても否定した,ヒュームの哲学の要点を理解できるようにする.
14 ここまでのまとめ 小テスト
ここまでの哲学概念などの理解度を確認し,復習する.
15 ディスカッション
学んだ内容を自分の言葉でどのように表現し,思考するかを試すディスカッションをディベート形式で行う.


前期定期試験を実施する. 小テストを2回実施する.