科 目 | 通信工学T ( Telecommunication Engineering I ) | |||
---|---|---|---|---|
担当教員 | 佐伯 崇 非常勤講師 【実務経験者担当科目】 | |||
対象学年等 | 電気工学科・5年・前期・選択・2単位【講義】 ( 学修単位II ) | |||
学習・教育 目標 |
A4-E3(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
「電磁気学」・「電気回路」・「電子回路」で学んだ諸原理を実際の無線通信システムに応用するためには,伝送工学・アンテナ工学の理解が必要となる.本科目では,伝送線路の特性やアンテナ工学の基礎を解説するとともに,その応用技術としてのレーダシステム,ならびに電波航法に代表される電波利用システムや,電子機器(電気機器や医療機器)の電磁的両立性(EMC)などについて学習する.本講義は担当教員の無線通信に関する実務経験を踏まえて教授する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-E3】 無線通信の分類,方式,最近のシステムについて理解している. | 2 | 【A4-E3】 アナログ変調,ディジタル変調における変調方式を理解し,各種変調器の構成がわかる. | 3 | 【A4-E3】 マイクロ波伝送線路における基本特性を理解している. | 4 | 【A4-E3】 電磁波の放射原理がわかり,実用アンテナの特性を理解している. | 5 | 【A4-E3】 レーダシステムや電波航法など電波利用システムの実用例や,電子機器(電気機器や医療機器)の電磁的両立性を理解している. | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 無線通信の分類,方式,最近のシステムについて理解しているかをレポートや中間試験で評価し,60%以上の正解を合格とする. | |
2 | アナログ変調,ディジタル変調における変調理論および各種変調器に関する理解度をレポートや中間試験で評価し,60%以上の正解を合格とする. | |||
3 | マイクロ波伝送線路の基本特性を理解しているかをレポートや中間試験で評価し,60%以上の正解を合格とする. | |||
4 | 電磁波の放射原理がわかり,実用アンテナの特性を理解しているかをレポートや定期試験で評価し,60%以上の正解を合格とする. | |||
5 | レーダシステムや電波航法など電波利用システムの実用例や,電子機器(電気機器や医療機器)の電磁的両立性を理解しているかをレポートや定期試験で評価し,60%以上の正解を合格とする. | |||
6 | ||||
7 | ||||
8 | ||||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
成績は,試験85% レポート15% として評価する.到達目標1,2,3,4,5に関して,試験の成績を85%の重みで,レポートの成績を15%の重みで評価する.試験の成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | 「第一級陸上無線技術士試験やさしく学ぶ無線工学B」(オーム社) プリント |
|||
参考書 | 「第一級陸上無線技術士試験やさしく学ぶ無線工学A」(オーム社) 第二級陸上特殊無線技士「無線工学」(情報通信振興会) 「電波工学」松田,宮田,南部共著(コロナ社) 「電磁波工学 基礎と応用」進士昌明著(丸善出版) 「電磁ノイズ発生メカニズムと克服法」原田,藤原,他著(科学情報出版) |
|||
関連科目 | 電気磁気学,電子回路,電気計測,電気回路 | |||
履修上の 注意事項 |
本科目を学習するには,電気磁気学をはじめ数学,物理,その他多くの専門科目を理解していることが前提となる.本科目は成長産業技術者教育プログラムのうち航空宇宙分野・医療福祉分野の関連科目である.社会情勢など状況により,各種変更される場合があるので留意されたい. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
---|---|
1 | マイクロ波中継システム・移動体無線技術の原理および構成 |
電磁波による情報通信技術の仕組みを概説し,マイクロ波を用いた固定無線通信システム・移動体無線技術の原理と構成について解説する. | |
2 | 変調理論および変調回路 |
搬送波通信方式における,アナログ変調およびディジタル変調に関する基礎理論を説明し,具体的な変調回路について解説する. | |
3 | 復調理論および復調回路 |
マイクロ波通信システムの受信端における,復調技術の基礎理論について説明し,具体的な復調回路について解説する. | |
4 | マイクロ波伝送線路の基礎 |
マイクロ波伝送線路に沿って伝搬する,電磁波の基本的な伝搬特性を回路論的な立場から説明する. | |
5 | マイクロ波伝送線路の終端条件 |
マイクロ波伝送線路における負荷条件,および,それにともなう電圧・電流の定在波分布について説明する.さらに,実用回路において重要な整合技術について解説する. | |
6 | マイクロ波給電回路 |
アンテナシステムの給電回路として重要な,4分の1波長整合回路,バラン回路,共用回路の動作原理,ならびにその構成について解説する. | |
7 | 電磁波の放射現象 |
微小ダイポールの放射特性を解析し,電磁波の放射現象に関する基礎を説明する. | |
8 | 中間試験 |
1回目から6回目までの内容を試験. | |
9 | 中間試験解説,ならびに線状アンテナの特性評価 |
中間試験問題の解説を行う.さらに,線状アンテナの代表例として半波長アンテナを取り上げ,送受信性能の評価において重要な種々のアンテナパラメータを解説する. | |
10 | アンテナの特性改善および種々の実用アンテナ |
アレイ構成によるアンテナ利得および指向性の改善法を説明するとともに,各種実用アンテナについて,その構造と特長を解説する. | |
11 | レーダの基本原理 |
レーダの概念から,レーダシステムの基本構成,ならびにその原理までを解説する. | |
12 | レーダの機能 |
レーダに関する各種実用システムの構成,およびその動作について解説する. | |
13 | 電波利用システムの実例 |
測位,測距,電波航法などに代表される電波利用システムについて解説する. | |
14 | 電子機器の電磁的両立性(I) |
電磁ノイズの発生メカニズム,ならびに電子機器(電気機器や医療機器など)における電磁的両立性(EMC)について解説する. | |
15 | 電子機器の電磁的両立性(II) |
電子機器(電気機器や医療機器など)に関する電磁ノイズ対策について解説する. | |
備 考 |
前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.事前学習:シラバスを参照し,事前に授業範囲について教科書を熟読しておくこと.事後学習:授業で学習した内容に関する教科書や配布した資料を復習し,理解を確認すること.また,授業で指示した課題に取り組むこと. |