科 目 | 電気材料 ( Electric Materials ) | |||
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担当教員 | 河合 孝太郎 准教授 | |||
対象学年等 | 電気工学科・5年・前期・必修・2単位【講義】 ( 学修単位II ) | |||
学習・教育 目標 |
A4-E2(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
導体,半導体,絶縁体に代表される各種電気材料について学習する.また,電気電子工学分野において重要な,誘電体,磁性体,超伝導体,光デバイス,炭素材料などについても学習し,これらの材料の特性や産業用途を学習する.材料の特性については,概要だけではなく,その特性が生じるメカニズムを電子運動の物理の観点から理解する.さらに本科目では,各種材料評価技術についても学習する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-E2】 金属の導電現象,抵抗材料,誘電体及び誘電分極の分類と誘電分散,各種絶縁体と絶縁破壊,圧電体と焦電体などの基礎について理解している. | 2 | 【A4-E2】 磁性体の分類と各種現象,超伝導現象の原理と応用などの基礎について理解している. | 3 | 【A4-E2】 材料評価技術として,結晶構造,X線回折装置(XRD),走査型電子顕微鏡(SEM),原子間力顕微鏡(AFM)などの基礎について理解している. | 4 | 【A4-E2】 レーザー材料とレーザー光の発振原理,発光ダイオード,有機EL材料,光ファイバー材料,光ディスクの材料と記録原理,機能性炭素材料などの基礎について理解している. | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 金属の導電現象,抵抗材料,誘電体及び誘電分極の分類と誘電分散,各種絶縁体と絶縁破壊,圧電体と焦電体などの基礎が理解できているかを中間試験及びレポートで評価する. | |
2 | 磁性体の分類と各種現象,超伝導現象の原理と応用などの基礎が理解できているかを定期試験及びレポートで評価する. | |||
3 | 材料評価技術として,結晶構造,X線回折装置(XRD),走査型電子顕微鏡(SEM),原子間力顕微鏡(AFM)などの基礎が理解できているかを定期試験及びレポートで評価する. | |||
4 | レーザー材料とレーザー光の発振原理,発光ダイオード,有機EL材料,光ファイバー材料,光ディスクの材料と記録原理,機能性炭素材料などの基礎が理解できているかをレポートで評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験85% レポート15% として評価する.試験85%分は,中間試験と定期試験の相加平均をとる.試験成績85点とレポート成績15点を合わせて100点満点で60点以上を合格とする.総合評価の小数点以下は切り捨てる. | |||
テキスト | 必要に応じて資料を配布する. | |||
参考書 | 「改訂電気材料」 : 柳井久義,酒井善雄著 (コロナ社出版) 「半導体素子」 : 石田哲朗,清水東著 (コロナ社出版) 「半導体工学」 : 高橋清(森北出版) 「電気電子材料」:鈴置保雄(オーム社) 「電気・電子材料」:水谷照吉(オーム社) |
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関連科目 | 半導体工学,電子工学 | |||
履修上の 注意事項 |
授業に関係のない私語を一切禁じる.電子工学で学習した固体中の電子のバンド構造及びフェルミ・ディラック分布に関する知識が必須となるため,復習しておくこと.また,半導体工学で学習したエネルギーバンド図を用いたキャリアの運動の表現についても授業で取り扱うため,しっかり復習しておくこと. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 金属の導電現象/復習 |
アルミニウムや銅などについて金属がなぜ導電性が良いのか,抵抗発生の要因について解説する.また,電界下での材料中の荷電粒子の数式扱いについて解説する/本授業を履修するにあたって,必要な事項を復習する. | |
2 | 抵抗材料/レーザー材料I |
ニクロム線,タングステンなどの発熱体に使用する抵抗材料について解説する/レーザーの定義,レーザー光の特徴,レーザーの産業応用について解説する. | |
3 | 誘電体および絶縁体の電気的性質/レーザー材料II |
誘電体および絶縁体とは何か,絶縁性,誘電分極について解説する/レーザー光の発振原理として,反転分布と誘導放出を学ぶ.また,レーザー材料により分類される気体レーザー,固体レーザー,半導体レーザーについて解説する. | |
4 | 誘電分極の分類と誘電分散/有機pn接合半導体 |
発生メカニズムから誘電分極を電子分極,イオン分極,配向分極に分類し,それらの分極率の式の導出について説明する.また,交流電界印加時に生じる誘電分散について学習し,電子レンジの原理を解説する/有機材料の定義とエレクトロルミネセンスについて解説する.また,有機ELディスプレイの原理と特徴を解説する. | |
5 | 絶縁破壊/光ファイバー |
電子なだれ破壊などの短時間破壊,トラッキングなどの長時間破壊について解説する/光ファイバーケーブルの構造と使用材料について解説する.また,材料中の光伝搬の数式扱いについて解説する. | |
6 | 各種絶縁材料/光ディスクI |
各種絶縁材料とその用途などについて解説する/光ディスクの構造と,情報の記録・再生原理について解説する.また,光ディスクにおいて記録容量を向上させるにはどうすればよいか説明する. | |
7 | 圧電体と焦電体/復習 |
圧電体と焦電体の性質及びそれらの産業応用について解説する/前半の内容について復習する. | |
8 | 中間試験 |
前半部分で授業を受けた内容が理解できているかを評価する. | |
9 | 中間試験の解答と解説 |
試験問題の解答と解説,採点基準の説明,試験範囲の復習を行う. | |
10 | 磁性体I/光ディスクII |
磁性体の概要と磁性体の産業応用について説明する.また,磁化の性質が異なる常磁性体と反磁性体について解説する/記録容量により光ディスクが分類できることを説明し,それらの構造の違いについて解説する.また,記録原理によっても分類できることを説明し,それらの記録原理と使用材料について解説する. | |
11 | 磁性体II/機能性炭素材料 |
強磁性体であるフェロ磁性体,フェリ磁性体,反強磁性体について説明する.また,各種磁性体における磁化率の温度依存性について解説する/原子配列や結合の状態によって,ダイヤモンドやグラファイトなどに分類できることを説明する.また,グラファイトを理解する上で重要なファンデルワールス結合について解説する. | |
12 | 超伝導体/超伝導の応用 |
超伝導現象発生のメカニズムであるBCS理論について解説する.また,マイスナー効果の基本的性質について解説する/超伝導材料を産業で応用するにあたり要求される特性についてと超伝導の産業応用例について解説する. | |
13 | 材料評価技術I/カーボンファイバー |
単結晶,多結晶,非晶質などの結晶の分類やミラー指数などについて解説する/カーボンファイバーの構造と特徴,作製方法について説明する.また,炭化の原理について解説する. | |
14 | 材料評価技術II/グラフェン電子デバイス |
各種顕微鏡(走査型電子顕微鏡(SEM),原子間力顕微鏡(AFM)など)を用いた材料評価技術について解説する/グラフェンの量子サイズ効果およびグラフェントランジスタについて説明する. | |
15 | 材料評価技術III/復習 |
X線回折装置(XRD)を用いた材料評価技術について解説する/後半の総復習を行う. | |
備 考 |
前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.事前学習:授業動画を参照して予習すること.事後学習:授業動画の内容を理解しているかを確認するレポートに取り組むこと. |