2024 年度応用数学Ⅱ シラバス

【 2024 年度授業概要】
科　　　目			応用数学Ⅱ ( Applied Mathematics II )
担当教員			中村佳敬准教授
対象学年等			電気工学科・4年・前期・必修・2単位【講義】 ( 学修単位III )
学習・教育目標			A1(100%)
授業の概要と方針			応用数学IIは電磁気学，電気回路，制御工学などを学習するための基礎となる数学であることを念頭に置いて授業を行う．理解を深めるため，演習を重視した内容とする．
到達目標		1	【A1】単純な波形のラプラス変換が計算できる，ラプラス変換の基本的性質を説明できる．
		2	【A1】簡単なたたみこみ計算ができる．
		3	【A1】ラプラス変換を使って簡単な常微分方程式が解け，ラプラス変換を使って簡単な系の伝達関数の説明ができる．
		4	【A1】単純な波形をフーリエ級数にすることができ，フーリエ級数の基本的性質が説明できる．
		5	【A1】フーリエ級数展開を活用して偏微分方程式の解を求めることができる．
		6	【A1】単純な波形のフーリエ変換ができる．フーリエ変換の基本的性質を説明できる．
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評価方法と基準	到達目標毎	1	単純な波形のラプラス変換が計算できる，ラプラス変換の基本的性質を説明できることを基礎力試験・小テスト・中間試験やレポートで評価する．
		2	簡単なたたみこみ計算ができることを小テスト・中間試験やレポートで評価する．
		3	ラプラス変換を使って簡単な常微分方程式が解け，ラプラス変換を使って簡単な系の伝達関数の説明ができることを中間試験やレポートで評価する．
		4	単純な波形をフーリエ級数に展開でき，フーリエ級数の基本的性質が説明できることを，基礎力試験・小テスト・定期試験やレポートで評価する．
		5	フーリエ級数展開を活用して偏微分方程式を解くことができることを定期試験やレポートで評価する．
		6	単純な波形のフーリエ変換ができる．フーリエ変換の基本的性質を説明できることを，定期試験やレポートで評価する．
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	総合評価		成績は，試験60%　レポート14%　小テスト24%　基礎力試験2%　として評価する．中間・定期試験はラプラス分野・フーリエ分野における試験とする．小テストは分野の中間試験相当とし各1回行う．試験・レポート・小テストは2分野の平均とし，総合成績60点以上で合格とする．
テキスト			「新応用数学改訂版」：高遠節夫他著（大日本図書出版社）「ドリルと演習シリーズ応用数学」：（電気書院）
参考書			「解析学要論(I)，(II)」：山本稔（裳華房）「応用解析学入門」：白井宏（コロナ社）「やさしいフーリエ変換」：松尾博（森北出版）
関連科目			電気回路，制御工学，数値解析，電気磁気学
履修上の注意事項			本科目は専門科目の基礎科目である．本科目の受講には特に，三角関数，微分，積分そして微分方程式の知識が必要となる．よって3年までに学習する数学，電気数学を十分に理解していることが求められる．社会状況などにより，授業計画や総合評価など変更する可能性がある．

【授業計画（応用数学Ⅱ ）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	ガイダンスと基礎力試験．
1	1年間の授業計画の説明，授業に対する諸注意．基礎力試験を実施する．
2	ラプラス変換の定義・例
2	変換とはどのようなものか，次にラプラス変換とはどのようなものかなどの定義を学ぶ．その後，いくつかの例を実際行う．学生は，部分積分の計算，極限における計算ができる必要がある（この時点では複素微分，複素積分をまだ学んでいない）ことに注意．
3	基本的性質，例題問題1
3	ラプラス変換に関する線形性，原関数の原点移動のラプラス変換に関する性質を学ぶ．それに関する例題問題を解く．
4	基本的性質，例題問題2
4	像関数の原点移動の性質を学ぶ．原関数の微分積分のラプラス変換に関する性質を学ぶ．例として簡単なR，Cの電気回路の微分方程式のラプラス変換を行う．ラプラス変換を行う問題のレポート課題をだす．
5	演習
5	ラプラス変換の基本的性質の内容を演習で行う．
6	たたみこみ，例題問題
6	たたみこみとは何か学ぶ，たたみこみの定義とそのラプラス変換を学ぶ．例題問題する．
7	演習
7	たたみこみ計算とたたみこみのラプラス変換に関して演習する．
8	演習・小テスト
8	1回から6回目までの演習・小テストを実施する．
9	逆ラプラス変換
9	ラプラス像関数から原関数を求める（変換表の像関数にあるような部分分数にして原関数を求める）方法を学ぶ．
10	逆ラプラス変換，例題問題
10	例題，問題で逆ラプラス変換を行う．たたみこみをその定義の積分から求める方法とラプラス変換，逆変換で求める方法を学ぶ．
11	演習
11	学生は演習で次を行う．ラプラス像関数から原関数を求める．たたみこみをその定義の積分から求める方法とラプラス変換，逆変換で求める．
12	常微分方程式解法への応用，例題問題
12	常微分方程式をラプラス変換すると未知関数の像関数は代数で求まることを学ぶ．未知関数は，その結果を逆ラプラス変換することより求まることを学ぶ．
13	演習
13	教科書の常微分方程式の問題をラプラス変換を用いて解く．
14	デルタ関数と系の伝達関数，例題問題
14	デルタ関数について学ぶ．インパルス応答と伝達関数を学ぶ．
15	中間試験（ラプラス分野の定期試験に相当）
15	1回から14回目までが試験範囲となる．ラプラス分野の定期試験に相当する．
16	中間試験解説・フーリエ級数の定義
16	中間試験解説をする．フーリエ級数とはどのようなものか学ぶ，フーリエ級数の定義を学ぶ．
17	フーリエ級数展開の例
17	簡単な例でフーリエ係数を求め，それでフーリエ合成を近似して黒板にグラフ表示して見せる．また，原関数が不連続関数であった場合について，そのフーリエ級数について説明する．
18	フーリエ級数の性質
18	レポート課題解説する．原関数が偶関数の場合，奇関数の場合のフーリエ級数，原関数の導関数のフーリエ級数を学ぶ．例を用いてそのフーリエ級数を求める
19	例題問題，演習
19	その他の簡単な例でフーリエ係数を求める．
20	フーリエ級数の性質
20	一般的な周期関数のフーリエ係数を学ぶ．フーリエ級数の収束について紹介する．ある種の級数が原関数とフーリエ級数の関係から求まることを学ぶ．パーセバルの定理を学ぶ．線スペクトルを学ぶ．
21	複素フーリエ級数
21	複素フーリエ級数の定義を学ぶ．簡単な例を複素フーリエ級数に展開する．
22	演習
22	簡単な関数のフーリエ級数を求めることができるか，またある種の級数が原関数とフーリエ級数の関係から求めることができるか演習を行う．
23	演習・小テスト
23	16回から22回目までの演習・小テストを実施する．
24	偏微分方程式解法への応用
24	フーリエ級数を用いた偏微分方程式の解法を学ぶ．
25	例題問題解説
25	手本として典型的な偏微分方程式を例に解説を行う．
26	演習
26	偏微分方程式に関する演習を行う．
27	フーリエ変換，フーリエ変換の例
27	フーリエ変換定義を学び，逆フーリエ変換が成立することを紹介する．
28	フーリエ変換の性質
28	いくつかの簡単な例でフーリエ変換を行う，2，3のフーリエ変換の性質（移動則，微分則）について学ぶ．
29	フーリエ変換の性質
29	パーセバルの定理を学ぶ．連続スペクトラムとは何か学ぶ．
30	演習・フーリエ変換の応用
30	フーリエ変換に関する演習を行う．フーリエ変換の工学的応用事例について解説する．
備考	前期中間試験および前期定期試験を実施する．本科目の修得には，60 時間の授業の受講と 30 時間の事前・事後の自己学習が必要である．事前学習：シラバスを参照し，事前に授業範囲について教科書を熟読しておくこと．事後学習：授業で学習した内容に関する教科書や配布した資料を復習し，理解を確認すること．また，授業で指示した課題に取り組むこと．