2024 年度電気工学実験実習シラバス

【 2024 年度授業概要】
科　　　目			電気工学実験実習 ( Laboratory Work in Electrical Engineering )
担当教員			[前期] 森田二朗特任教授, 中村佳敬准教授, [後期] 森田二朗特任教授, 茂木進一教授
対象学年等			電気工学科・2年・通年・必修・3単位【実験実習】 ( 学修単位I )
学習・教育目標			A4-E1(30%), B1(10%), B2(10%), C4(30%), D1(20%)
授業の概要と方針			基礎電気工学，電気回路1，情報基礎，情報処理Iなどの座学で学んだ理論を実験で確かめ，理解を深めさせると共に，電気量の測定方法や器具の取扱に習熟させる．また，座学で学ぶことのできない製作実習，電線接続実習を通じて，電気技術者としての知識，技能の向上を図る．実習は個人作業，実験は少人数に分けて行うことで理解の徹底を図る．
到達目標		1	【A4-E1】実験を通じて基礎理論が理解できる．
		2	【D1】電圧計，電流計，電力計といった基本的な計測器の取扱方法を実験中で触ることで体得する．その他各種計測機器の取扱方法に関しても取扱説明書を読むことと実際に測定することで使い方を体得する．
		3	【B1】計測技術の理論による理論値と実験で得た実験値のデータの比較方法を実験で体得する．
		4	【B2】製作実習，電線接続実習による電気技術者としてのセンス，技能を体得する．特に製作実習においては，基板をある程度自由に配置できるため，独創性を養うことも目標とする．
		5	【C4】期限内に実験実習報告書を提出できる．
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評価方法と基準	到達目標毎	1	基礎電気工学・電気回路などの知識の確認を実験報告書のレポート課題によって評価する．
		2	実験実習での活動を見ながら，各種計測機器の取扱方法を評価する．
		3	データ処理などを体験することで，理論値と実験値の誤差データ処理などをレポート課題の考察項目として評価する．
		4	決められた時間内に正確に完成させられるか，独創性の部分がどこかを実習中に完成度の各チェック項目に対して評価する．電線接続実習は，技能試験で評価する．
		5	各テーマ毎の報告書の提出状況で評価する．
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	総合評価		成績は，実習40%　実験60%　として評価する．実習はテーマ毎に学習態度（服装・記録方法の点検・提出物・技能試験など）100%で評価し，実験はテーマ毎にレポート50%・学習態度50%で評価する．実習40点，実験60点の計100点満点で60点以上を合格とする．未提出物があれば原則29点以下の最終成績とする．
テキスト			プリント
参考書			電気実験基礎計測編（電気学会）第2種電気工事士筆記試験・技能試験模範解答集（電気書院）
関連科目			基礎電気工学，電気回路1，情報基礎，情報処理I
履修上の注意事項			提出期限は指示がない限り原則1週後朝8:50とし，正当な理由がある場合に限り期限後も受領する．提出物の遅れは，各テーマの学習態度に対し，1日につき満点の6%減点(50点満点の場合3点減点)を原則とする．

【授業計画（電気工学実験実習）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	ガイダンス・実験実習の説明・実習と電気工事との関連(1)
1	授業計画の全体説明（日程，成績評価方法などの説明も含む）ののち，電気工事の基礎となる部分の学習を行う．機器の取扱，作業時などでの注意点について「神戸高専安全マニュアル」を用いて説明する．
2	A:半田付け実習(1)
2	半田付けの基本技能を実習を通して学習する
3	A:半田付け実習(2)
3	学習教材用のテスタの製作の前半部分を行う
4	A:半田付け実習(3)
4	学習教材用のテスタの製作の後半部分を行う
5	A:半田付け実習(4)
5	マルチバイブレータ回路を作成し理解する
6	B:電線接続実習(1)
6	電線接続実習を行う．
7	B:電線接続実習(2)
7	電線接続実習を行う．
8	B:電線接続実習(3)
8	電線と電気器具との取り付け実習を行う．
9	B:電線接続実習(4)
9	電気工事士の技能試験対策用ビデオで学習した後，配線図の解説と実習を行う．
10	B:電線接続実習(5)
10	過去に第2種電気工事士の試験で出題された問題を基準にした技能試験を行う．
11	C:シーケンス制御の実験
11	電磁リレーを使用した制御回路を作製することにより，制御・電磁リレーの動作原理・回路図記号等の理解を深める．
12	実験実習報告書（実験レポート）指導・実験実習の説明
12	実験実習報告書（実験レポート）の書き方に関して解説する．
13	ビデオ学習(1)
13	実験実習に関連するテーマでビデオ学習（もしくは校外学習）を行う．電線接続実習の基礎知識を学習する．これまでの実験実習が実施完了しなかった場合に，この時間をそのテーマを実施する時間に充てることもある．
14	講演会(1)
14	実験実習に関連するテーマで外部講師による講演を実施する．これまでの実験実習が実施完了しなかった場合に，この時間をそのテーマを実施する時間に充てることもある．
15	講演会(2)
15	実験実習に関連するテーマで外部講師による講演を実施する．これまでの実験実習が実施完了しなかった場合に，この時間をそのテーマを実施する時間に充てることもある．
16	ガイダンス・実験実習の説明
16	授業計画の全体説明（日程，成績評価方法などの説明も含む）を実施する．
17	D:直流測定の実験(1)
17	キルヒホッフの法則を実験を通して確認し理解する．
18	D:直流測定の実験(2)
18	重ねの理を実験を通して確認し理解する．
19	D:直流測定の実験(3)
19	テブナンの定理を実験を通して確認し理解する．
20	K:プリント基板回路の製作実習(1)
20	電子回路のパターンをPCBエディタで作成する．
21	K:プリント基板回路の製作実習(2)
21	回路パターンをプリント基板化するなどの作成実習をする．
22	K:プリント基板回路の製作実習(3)
22	プリント基板に部品を取り付け，作成した回路の性能確認をする．
23	P:単相回路の電力と力率改善実験
23	力率とは何かを知るために単相電力計を使った電力測定を行い，力率改善のための方法を実験によって学習する．
24	N:熱電対の特性試験実験
24	熱電対の使い方を理解し，温度に対する熱電位特性を実験によって理解する．
25	S:ダイオードの特性試験実験
25	ダイオードの静特性を求める実験を行い，ダイオードの原理を理解する．
26	H:整流・平滑回路の実験
26	整流回路と平滑回路を組み，出力信号波形の観察を行う．
27	R:マイコンによる入出力実習(1)
27	Arduinoの導入を行う．
28	R:マイコンによる入出力実習(2)
28	Arduinoと各種センサを連携し，信号の入出力を確認する．
29	ビデオ学習(2)
29	実験実習に関連するテーマでビデオ学習（もしくは校外学習）を行う．これまでの実験実習が実施完了しなかった場合に，この時間をそのテーマを実施する時間に充てることもある．
30	報告書の講評
30	実験レポートの返却を行い，レポートの考察の書き方等について再度学習する．
備考	中間試験および定期試験は実施しない．班での実験実習の実施，そして社会状況に伴い，授業計画の実施順番を入れ替えることがある．実験・実習では半田付け，電工ナイフを使った作業などがあるので，汚れても良く，安全が確保できる服装が必要である．