【 2024 年度 授業概要】

科　　　目			化学 ( Chemistry )
担当教員			大塩 愛子 准教授
対象学年等			電子工学科・2年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位I )
学習・教育 目標			A2(100%)
授業の概要 と方針			我々の生活は多くの化学物質に支えられている．しかし，化学物質は便利であると共に，有害で危険な影響を及ぼすものも存在する．専門的な研究では，この影響や特性に配慮しなければならず，その為には物質の基本となる化学の知識・視点が必要となる．本科目では，化学に対する基本的な考え方と応用力を養うため，身近な物質や専門的な器具・薬品を用いた学習を行い，学生自らが考える授業を展開する．
到 達 目 標		1	【A2】 試薬・器具を適正に取り扱い，安全に実験を行うことができる．
		2	【A2】 実験から得られた結果を整理し，考察を行うことができる．
		3	【A2】 化学の基本法則を学び，化学反応の特徴を理解している．
		4	【A2】 化学物質の特性を理解し，社会での利用を認識している．
		5
		6
		7
		8
		9
		10
評 価 方 法 と 基 準	到 達 目 標 毎	1	試験・レポート・小テストで評価する．
		2	試験・レポート・小テストで評価する．
		3	試験・レポート・小テストで評価する．
		4	試験・レポートで評価する．
		5
		6
		7
		8
		9
		10
	総 合 評 価		成績は，試験70%　レポート15%　小テスト15%　として評価する．試験成績は中間と定期の平均点とする．指示に従わず危険な行為を行う者は特別課題の提出を求める．100点満点で60点以上を合格とする．再試験を実施する場合は70点以上で合格とし，該当する試験の点数を60点とする．
テキスト			「Professional Engineer Library　化学」（実教出版） 「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」（数研出版） 「改訂版 リードα 化学基礎＋化学」（数研出版）
参考書			「化学I・IIの新研究」卜部吉庸 著（三省堂）
関連科目			物理，数学，生物
履修上の 注意事項			講義は化学実験室(一般科棟B棟5階)で行う．教室変更の際はその都度指示をする．問題集や化学図録は適宜使用するので，毎回持参すること．

【授業計画（ 化学 ）】

週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	導入，熱エネルギー
	化学反応におけるエネルギーの出入りを数値を用いて表現する手法について学ぶ．
2	燃焼熱・生成熱・中和熱・溶解熱
	様々な反応熱について，エンタルピー変化と化学反応式を用いた表し方を学ぶ．
3	ヘスの法則
	未知の反応熱を知るときは，ヘスの法則を利用する．その手法と理論的理解を行う．
4	結合エネルギー，演習
	結合は一種のエネルギーとみなすことができることから，その考え方について学ぶ．反応熱についてこれまでの範囲の演習を行う．
5	反応速度と化学平衡（1）
	化学反応の速度について学ぶ．また，化学反応は必ずしも一方通行のものではなく，その仕組みについても学ぶ．
6	反応速度と化学平衡（2）
	化学平衡時における，濃度平衡定数の求め方を理解する．
7	演習
	これまでの内容を演習問題を解きながら確認，復習する．
8	中間試験（前期）
	教科書，ノートの持ち込みは不可．計算機の持ち込みは事前に支持する．
9	中間試験の解説，水素と18族元素（希ガス）
	中間試験の解説を行う．また，水素や希ガスの特徴・反応性について学ぶ．
10	14族元素（炭素とケイ素）・15族元素（窒素とリン）
	炭素とケイ素の特徴・反応性，窒素とリンの特徴・反応性について学ぶ．
11	16族元素（酸素と硫黄）・17族元素（ハロゲン）
	酸素と硫黄の特徴・反応性，ハロゲンの特徴・反応性について学ぶ．
12	1族元素（アルカリ金属）
	1族の元素から水素を除いた金属元素をアルカリ金属と言う．アルカリ金属が持つ特徴や反応について学び，その用途について解説する．
13	12族元素（亜鉛と水銀）
	12族の亜鉛と水銀の特徴・反応性について学び，その化合物の性質と用途について解説する．
14	8族元素（鉄）・11族元素（銅・銀）
	鉄の特徴・反応性について学び，その化合物の性質と用途について解説する．また，銅や銀の特徴・反応性について学び，身近な利用例を解説する．
15	有機化合物について
	有機化学分野の導入を行う．
16	有機化合物の特徴・構造・分類
	炭素を含む化合物を有機化合物と呼ぶ．その分類について学ぶ．さらに，有機化合物は大きく分けて炭化水素基と官能基から構成されている．官能基による有機化合物の分類とその性質を学ぶ．
17	分子モデルと異性体
	有機化合物は分子式だけでは構造が特定できない．分子式・示性式・構造式の違いを理解して，分子の立体構造と異性体について学ぶ．
18	いろいろな炭化水素
	炭素と水素のみからできた有機化合物を炭化水素と呼ぶ．アルカン・アルケン・アルキンについて代表的な物質を例に挙げてそれぞれの製法や反応を学ぶ．
19	化学式の決定
	試料から化学式を導く手法について学ぶ．
20	アルコールの性質（1）
	アルコールの構造，性質を調べ，その相関性について学ぶ．
21	アルコールの性質（2）
	アルコールの持つ反応性について学ぶ．
22	エーテル
	エーテルの構造とその性質について学ぶ．
23	中間試験(後期)
	教科書，ノートの持ち込みは不可．計算機の持ち込みは事前に指示する．
24	中間試験の解説，エステル
	中間試験の解説を行う．また，エステルについて学び，事前学習としてセッケンについて班で調べる．
25	油脂とセッケン
	油脂とは，高級脂肪酸とグリセリンのエステルである．油脂とセッケンの関係を学ぶ．
26	セッケンの合成
	いくつかの油脂を使用してセッケンの合成実験を行い，油脂による違いを比較する．
27	有機化合物と人間生活（1）
	身近な染料と医薬品についてその歴史や分類，性質を学ぶ．
28	有機化合物と人間生活（2）
	有機化合物は遠い存在のものではない．我々が口にする炭水化物も有機化合物である．代表的な糖とアミノ酸の構造と性質について学ぶ．
29	有機化合物と人間生活（2）
	タンパク質の構造や性質について学ぶ．
30	発表
	身の回りの化学について調べてポスターの代替として新聞を作成する．それを用いて班内で発表をし，各班代表者はクラス内で発表する．人に説明する方法について模索・挑戦する時間とする．
備 考	前期，後期ともに中間試験および定期試験を実施する． 各試験とも，電卓の持ち込みは可とする（必要な時は予め周知する）．