【 2024 年度 授業概要】
科   目 倫理 ( Ethics )
担当教員 山本 舜 講師
対象学年等 電子工学科・2年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
C3(20%), D1(80%)
授業の概要
と方針
我々はなぜ生きているのか,どう生きるべきなのか,何に動かされているのか.我々の身の回りにはこうした哲学的な疑問があふれている.この授業では先人の思想や哲学を歴史的に学びつつ,現代のさまざまな倫理的問題に触れることで,他でもない自分自身がどう生きていくべきなのかを考察していく.



1 【C3】 倫理や哲学といった思想的な問題群があることを理解し,自分自身の問題として考えることができる.
2 【C3】 東西の源流思想を正しく理解できる.
3 【C3】 西洋近現代哲学の展開と日本思想から日本哲学への進展を正しく理解できる.
4 【C3】 現代社会における倫理的問題を正しく理解できる.
5 【D1】 現代社会における倫理的問題について自分の意見を矛盾なく展開できる.
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1 倫理や哲学,思想一般についての理解度と,自分自身の問題として考えることができるかを授業内課題や定期試験で評価する.
2 ギリシア思想,ユダヤ・キリスト教,イスラーム,仏教,中国思想の理解度を授業内課題や定期試験で評価する.
3 近代以後の西洋哲学および日本思想の史的展開の理解度を授業内課題や定期試験で評価する.
4 現代技術や生命倫理,環境倫理といった応用倫理学の諸問題についての理解度を授業内課題や定期試験で評価する.
5 現代社会における倫理的問題について自分の意見を矛盾なく展開できるかを授業内課題や定期試験で評価する.
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成績は,試験70% 授業内課題30% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 『高等学校倫理』:越智貢・他 著(第一学習社)
『アプローチ倫理資料PLUS』:長島隆行・他 編著(東京法令)
参考書 『倫理用語集』:濱井修 監修,小寺聡 編(山川出版社)
適宜,補助資料としてプリントを配布する.
関連科目 哲学A,哲学B
履修上の
注意事項
授業では多くの思想家や哲学者の名前が出てきますが,それらは単なる記号ではなく,歴史的に生きた実在の人物です.実際に彼らの書いたものを読むことで,みなさんの中にそれが宿ることになります.興味を持った思想家・哲学者の文章に,積極的に触れるようにしてください.

【授業計画( 倫理 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンス:倫理とは何か,倫理から何を学ぶべきか
哲学を導入に,倫理という分野の位置づけを扱う.授業の進め方なども説明する.
2 青年期の課題(1)
青年期の特徴を学び,自分自身の今のあり方と照らし合わせて考える.
3 青年期の課題(2)
欲求や葛藤といった人間の根源的な悩みと向き合い,どういう時代に生きているかを把握する.
4 ギリシア思想(1)
初期自然哲学やソフィストといったソクラテス以前のギリシア思想について学ぶ.
5 ギリシア思想(2)
ソクラテス・プラトン・アリストテレスを概観し,ギリシア哲学の枠組みを理解する.
6 ギリシア思想(3)
プラトンとアリストテレスの思想に踏み込み,細かい用語や考え方などの理解を深める.
7 ギリシア思想(4)
その後のギリシア思想の展開を学び,ギリシア思想全体の総括を行なう.
8 前期中間試験
前期のそれまでの内容について中間試験を実施する.
9 ユダヤ・キリスト・イスラーム(1)
旧約聖書とユダヤ教について学び,イエス登場の経緯を押さえる.
10 ユダヤ・キリスト・イスラーム(2)
新約聖書とキリスト教について学び,その後の発展を理解する.
11 ユダヤ・キリスト・イスラーム(3)
前週を踏まえてスコラ哲学への進展を検討した後,コーランとイスラーム教について学ぶ.
12 仏教(1)
仏教の成立とガウタマ=シッダールタの思想を学び,原始仏教の基本を理解する.
13 仏教(2)
部派と大乗への分裂について学び,大乗仏教の展開を押さえる.
14 中国思想(1)
孔孟,老荘といった諸子百家の思想について学ぶ.
15 中国思想(2)
前週を踏まえて中国思想の内容を深めた後,前期最終回として源流思想を振り返る.
16 日本思想(1)
日本思想のルーツとしての古神道と仏教伝来を学び,神道と鎌倉仏教への展開を押さえる.
17 日本思想(2)
近世日本思想として江戸時代の儒学や国学を学び,近代化以前の日本思想の特徴を理解する.
18 「近代」の成立
西洋における近代の成立を宗教改革,近代科学の成立を通して学ぶ.
19 西洋近代哲学(1)
近代哲学を特徴づけるイギリス経験論と大陸合理論の概要を学ぶ.
20 西洋近代哲学(2)
カントの理論理性に関する考えを学び,カント認識論の基本を押さえる.
21 西洋近代哲学(3)
カントの実践理性に関する考えを学び,カント倫理学の要点を押さえる.
22 西洋近代哲学(4)
カント以後,ヘーゲルを中心にドイツ観念論への展開を学ぶ.
23 後期中間試験
後期のそれまでの内容について中間試験を実施する.
24 ヘーゲル以後の哲学思想(1)
マルクス,フロイト,ニーチェを代表に,戦後構造主義の土台となった哲学・思想を学ぶ.
25 ヘーゲル以後の哲学思想(2)
前週の続きとして内容を補足しつつ,適宜19世紀から20世紀にかけての哲学的諸思潮を取り上げる.
26 近代日本哲学(1)
日本の近代化と個人の自覚,日本哲学の成立について学ぶ.
27 近代日本哲学(2)
京都学派の成立を概観しつつ,西田幾多郎の哲学について学ぶ.
28 近代日本哲学(3)
京都学派の哲学を概観し,和辻哲郎の倫理学について学ぶ.
29 現代の諸課題と倫理(1)
生命倫理や環境倫理の諸問題について学び,現代を生きる上で留意しておくべき課題を認識する.
30 現代の諸課題と倫理(2)
情報倫理や技術者倫理について学び,AIなどの科学技術のあり方について考える.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.