【 2024 年度 授業概要】
科   目 先端半導体デバイス ( Advanced Semiconductor Devices )
担当教員 河合 孝太郎 准教授
対象学年等 電気電子工学専攻・1年・後期・選択・2単位【講義】
学習・教育
目標
A4-AE2(100%)
授業の概要
と方針
最先端の半導体デバイスについて,材料,デバイス構造,新原理などの観点から学習する.始めに,トランジスタの微細化の現状と問題点や,半導体製造技術や評価技術などの基礎を学習する.その後,単電子トランジスタなどに代表されるような,まだ実用化されていない新技術や先端材料について学習する.最終的には,先端の半導体デバイスやその周辺デバイスがこれまで学習してきたトランジスタの構造や材料とは大きく異なることを理解する.



1 【A4-AE2】 トランジスタの微細化の現状と問題点について説明できる.
2 【A4-AE2】 半導体の製造技術や評価技術について説明できる.
3 【A4-AE2】 微細化の問題点を解決するための先端材料の優位性について説明できる.
4 【A4-AE2】 単電子トランジスタなどの先端技術について説明できる.
5 【A4-AE2】 既存のSi系太陽電池と最新のHIT太陽電池について簡単に説明できる.
6 【A4-AE2】 SOIやFinFET技術について説明できる.
7 【A4-AE2】 半導体の微細加工に貢献するメタマテリアルについて説明できる.
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1 トランジスタの微細化の現状と問題点について説明できることを中間試験及びレポートにより評価する.
2 半導体の製造技術や評価技術について説明できることを中間試験及びレポートにより評価する.
3 微細化の問題点を解決するための先端材料の優位性について説明できることを中間試験及びレポートにより評価する.
4 単電子トランジスタなどの先端技術について説明できることを中間試験及びレポートにより評価する.
5 既存のSi系太陽電池と最新のHIT太陽電池について簡単に説明できることを中間試験及びレポートにより評価する.
6 SOIやFinFET技術について説明できることを中間試験及びレポートにより評価する.
7 半導体の微細加工に貢献するメタマテリアルについて説明できることを定期試験及びレポートにより評価する.
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成績は,試験90% レポート10% として評価する.試験90%分は,中間試験と定期試験の相加平均をとる.試験成績90点とレポート成績10点を合わせて100点満点で60点以上を合格とする.総合評価の小数点以下は切り捨てる.
テキスト 資料を配布する.
参考書 「半導体デバイスの物理」 : 岸野 正剛 (丸善社)
「半導体材料とデバイス」 :松波 弘之(岩波書店)
「低温ポリシリコン薄膜トランジスタの開発」:浦岡 行治(シーエムシー出版)
関連科目 電子デバイス(電子工学科3年),電子工学(電気工学科3年),半導体工学(電気工学科4年),電気材料(電気工学科5年)
履修上の
注意事項
関連科目で学習した内容を理解しておくこと.

【授業計画( 先端半導体デバイス )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンスと復習
本講義の概要説明および履修するにあたって必要な知識を復習する.
2 ムーアの法則とトランジスタの微細化の現状
この講義のガイダンスと,ムーアの法則に従って行われてきたトランジスタの微細化の歴史と現状について説明する.
3 単電子トランジスタ
究極の低消費電力デバイスといわれる単電子トランジスタについて説明する.
4 SOIとFinFET
LSIの高速性と低消費電力化に寄与するSOI(Silicon on Insulator)技術とFinFET構造について説明する.
5 HEMT
異種化合物半導体同士および金属とのヘテロ接触構造を有する高電子移動度トランジスタ(HEMT)について説明する.
6 DIBL
MOSFETの短チャネル化によって生じるドレイン誘起障壁低下(Drain-Induced Barrier Lowering; DIBL)について説明する.
7 ヘテロ接合太陽電池
ヘテロ接合太陽電池(HIT太陽電池)について説明する.
8 中間試験
前半部分で授業を受けた内容が理解できているかを評価する.
9 中間試験の解答と解説
試験問題の解答と解説,採点基準の説明,試験範囲の復習を行う.
10 薄膜トランジスタ(TFT)技術
液晶ディスプレイの駆動素子として用いられるアモルファスシリコンTFTやポリシリコンTFTおよび結晶化技術について説明する.
11 パワーデバイス
ワイドギャップ半導体といわれるSiCを用いたトランジスタについて説明する.
12 メタマテリアルI
半導体集積回路の微細加工に寄与するメタマテリアルについて説明する.第1回目は,メタマテリアルの応用例および電磁波と物質の相互作用について説明する.
13 メタマテリアルII
高周波の電磁波に対する比誘電率および比透磁率の考え方,ならびに電磁波から見た混合物の均一化の基礎について説明する.
14 メタマテリアルIII
基本的なリング状のメタ原子を取り上げ,高周波の電磁波に対して反磁性的な応答を示すことを説明する.また,スプリットリング共振器(SRR)について説明する.
15 メタマテリアルIV
メタマテリアルの実現による電磁波の高度伝搬制御と完全レンズ(スーパーレンズ)について解説し,半導体集積回路の微細加工技術発展への期待について説明する.


後期中間試験および後期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である.事前学習は,授業範囲について各自で理解できないところを整理しておくこと.事後学習では,授業後に課題を配布するので,指定期日までにレポートを提出すること.