【 2024 年度 授業概要】
科   目 光物性工学 ( Optical Properties of Materials )
担当教員 西 敬生 教授
対象学年等 電気電子工学専攻・1年・前期・選択・2単位【講義】
学習・教育
目標
A4-AE2(100%)
授業の概要
と方針
現代のキーテクノロジーの粋を集めた光デバイスの原理や応用技術を理解するために,光吸収の本質や,半導体中の光の伝搬,半導体内での電子と光の相互作用などの基礎から学習する.



1 【A4-AE2】 光の色と波長とエネルギの関係を理解し,物質の禁制帯幅からその物質の色の見当がつくようになる.
2 【A4-AE2】 マクスウェルの方程式から波動方程式を導出することができる.
3 【A4-AE2】 光吸収係数,反射率や屈折率などの式を間単に説明できる.
4 【A4-AE2】 半導体の光吸収の原理について簡単に説明できる.
5 【A4-AE2】 半導体の発光の原理について簡単に説明できる.
6 【A4-AE2】 分極など光学現象の微視的機構について簡単に説明できる.
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1 光の色と波長とエネルギの関係について中間試験で出題し,評価する.
2 式の導出を中間試験で出題し,評価する.
3 式の意味についてレポートや中間試験で出題し,評価する.
4 半導体の光吸収についてまとめたレポートや,これに関する定期試験問題により評価する.
5 半導体の発光についてまとめたレポートや,これに関する定期試験問題により評価する.
6 分極やそれに関する光学現象の微視的機構についてレポートや定期試験問題により評価する.
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成績は,試験90% レポート10% として評価する.100点満点中60点以上を合格とする.試験点は2回の試験の平均とする.
テキスト 「半導体工学 第3版-半導体物性の基礎-」:高橋 清, 山田 陽一 (森北出版)
「光物性基礎」:工藤恵栄(オーム社)
参考書 「応用電子物性工学」 :佐藤勝昭,越田信義 (コロナ社)
「機能性材料のための量子工学」:山田興治,佐藤勝昭,八木駿郎,伊藤彰義,澤木宜彦,佐宗哲郎(講談社)
関連科目 電子デバイス(本科電子工学科3年),電子工学(本科電気工学科3年),半導体工学(本科4年),電気材料(本科電気工学科5年)
履修上の
注意事項
授業には電卓を持参のこと.

【授業計画( 光物性工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 光エレクトロニクスと半導体
この講義のガイダンスと現代の光エレクトロニクスの発展や光デバイスの応用分野などに関して紹介する.また半導体の光物性に関する導入部を解説する.
2 光の分類
電磁波・光の分類,光の単位,物質の色について説明する.
3 波動方程式による光の表現
マクスウェルの方程式から波動方程式を導出し,電磁波について説明する.
4 光の強度とエネルギ
光の強度・エネルギについて述べると共に,式によってこれらを表現する.
5 光の反射と屈折I
反射と屈折の法則,反射率と透過率を説明するとともに,式の導出を行う.
6 光の反射と屈折II
前回の続きを行う.
7 物質中の電磁波と電気分極
物質に光が吸収されるとはどういうことか,屈折率とは何かについて電気分極との関係性と合わせて説明するとともに,物質中を伝搬する光を式で表現する.
8 中間試験
これまでの内容について試験を行う.
9 試験解答解説,光学現象の微視的機構
中間試験の解説を行う.7回目の分極について微視的な観点から解説する.
10 半導体の光吸収I:バンド間吸収
半導体に光が照射されたときに起こる吸収について四週にわたって説明する.最初はバンド間吸収について,直接遷移型と間接遷移型との違いについて説明する.
11 半導体の光吸収II:バンド間吸収と励起子吸収
先週の続きでバンド間吸収について説明するとともに,励起子吸収についても説明する.
12 半導体の光吸収III:遷移元素不純物に関する吸収
ルビーなどの宝石の着色は固体内に遷移元素が添加され,その遷移元素イオンによる吸収が原因となっている.これらの吸収について説明する.
13 半導体の光吸収III:遷移元素不純物に関する吸収
前回に引き続き,遷移元素不純物に関する吸収について取り上げる.
14 半導体の発光:ルミネッセンスの物理
半導体の発光メカニズムについて,吸収と同様,電子の遷移過程をたどりながら,どのようなものがあるか説明する.
15 半導体の発光:バンド端発光とバンド-不純物間発光,D-A対発光
半導体において代表的な発光機構であるバンド間発光,バンド不純物間発光,D-A対発光を取り上げ,それぞれについて説明する.


前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である.試験には電卓を持参すること.事前学習としてシラバスの各回に記載している文言について調査しておくこと.事後学習として授業の各回で配布した資料をよく読み,出題された演習について解答すること.