科 目 | 光波電子工学 ( Optical Wave Electronics ) | |||
---|---|---|---|---|
担当教員 | 荻原 昭文 教授 【実務経験者担当科目】 | |||
対象学年等 | 電気電子工学専攻・1年・前期・選択・2単位【講義】 | |||
学習・教育 目標 |
A4-AE2(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
光波電子工学を理解する上での基礎となる光の波動的性質,およびレンズや複屈折性を有する媒質中での光の伝播原理,偏光変調特性,応用などを学習し,光応用技術を理解するための基礎知識を修得する.本講義は担当教員の企業における光デバイスの研究開発経験を踏まえて教授する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-AE2】 幾何光学に基づいた光の反射屈折や平面波の伝搬とエネルギーなど,光波の基本的な波動的性質を理解し,説明できる. | 2 | 【A4-AE2】 等方媒質や非等方媒質中での光の伝搬の仕方を理解し,偏光子や光ファイバなどにおける光の伝搬に応用できる. | 3 | 【A4-AE2】 光波の干渉現象に基づくコヒーレンスの解釈について理解し,レーザ干渉計や計測に関係づけて説明できる. | 4 | 【A4-AE2】 光の粒子性や波動性などに関する量子現象について,ダブルスリットの実験などに基づき説明できる . | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | レンズの形状や屈折率に依存する光波の伝搬の取扱や平面波の伝搬とエネルギーなど,光波の基本的な波動的性質の理解度を中間試験とレポートにより評価する. | |
2 | 光波の時間・空間的変化に関するフェルマーの原理や,直線偏光・円偏光などの光の性質を理解し,種々の媒質中での光波の伝搬の定量的な取扱に関する理解度を中間試験とレポートにより評価する. | |||
3 | 光の干渉とコヒーレンス長の推定,光の回折現象と単スリット,矩形開口,円形開口など簡単な形の開口によるフラウンホーファ回折の計算などの理解度を定期試験とレポートにより評価する. | |||
4 | 光の量子現象に関連する物理現象について,ダブルスリットを用いた実験とコヒーレンス理論を関係づけた観点からの理解度を定期試験とレポートにより評価する. | |||
5 | ||||
6 | ||||
7 | ||||
8 | ||||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
成績は,試験85% レポート15% として評価する.なお,試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.なお,再試験を行う場合には最高60点で評価する. | |||
テキスト | 「光入門」:大坪 順次 著(コロナ社) | |||
参考書 | 「新版 光エレクトロニクス入門」:西原浩・裏升吾 共著(コロナ社) | |||
関連科目 | 光エレクトロニクス(電子工学科5年),電気材料(電気工学科5年),光応用計測(専攻科1年) | |||
履修上の 注意事項 |
本科5年の「光エレクトロニクス(電子工学科)」,「電気材料(電気工学科)」を受講していることが望ましい. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
---|---|
1 | ガイダンスおよび光の反射,屈折作用 |
授業の進め方,到達目標と評価方法などを説明する.幾何光学に基づくレンズ,ミラーなどにおける光の伝搬の仕方を理解する. | |
2 | 媒質中での光の伝搬作用 |
光波の時間・空間的変化に関するフェルマーの原理に基づく媒質中での光の伝搬の仕方を理解する. | |
3 | 媒質境界面の形状による光の伝搬作用 |
レンズのような境界面の形状が異なる媒質間における光の伝搬において,フェルマーの原理を適用した場合にレンズの公式が導出でき,併せてレンズの収差の種類等についても理解する. | |
4 | 光導波路構造と光伝播作用 |
ステップインデックス形光導波路とグレーデッドインデックス形光導波路などの屈折率分布に基づく基本構造と光の伝搬作用について理解する. | |
5 | 偏光 |
直線偏光,楕円偏光などの数式的な表わし方や,マリュスの法則やブリュースター角など光の偏波による性質を理解する. | |
6 | 伝搬行列を用いた媒質中の伝播の取扱(1) |
媒質中での光波の伝搬に対し,ジョーンズマトリックスによる伝搬行列の表わし方を理解する. | |
7 | 伝搬行列を用いた媒質中の伝播の取扱(2) |
異なる媒質間において,それぞれに対応するジョーンズマトリックスを適用して組み合わせた場合の計算の仕方を理解する. | |
8 | 中間試験 |
中間試験までの授業内容に関する試験を行う. | |
9 | 中間試験解答・解説,光波のコヒーレンス |
中間試験の解答解説を行う.光波の可干渉性を表す時間的コヒーレンスと空間的コヒーレンスを理解し,スペクトル幅よりコヒーレンス長の推定の仕方を理解する. | |
10 | 光波の回折 |
単スリット,矩形開口,円形開口など簡単な形の開口による回折像や広がり角などについて理解する. | |
11 | 光波の干渉 |
ヤングの干渉実験に基づきスリットの開口サイズや波長の干渉現象への影響について,コヒーレンスの解釈と関連付けて理解する. | |
12 | 光の量子現象 |
ダブルスリットを用いた実験とコヒーレンス理論を関係づけた観点から光の量子現象に関連する物理現象について理解する. | |
13 | 光の粒子性と波動性 |
光電子効果や物質波の性質に基づき,光の粒子的性質と波動的性質の二重性について理解する. | |
14 | 光応用技術(1) |
光エレクトロニクスに密接に関わる液晶等の有機材料,表示・通信に関わるデバイス,放射光などを用いた各種プロセスや分析技術への光応用技術を調べ理解する. | |
15 | 光応用技術(2) |
人間の目の構造や応答特性などの基本機能を理解し,材料・デバイス技術による光情報検出と光応用技術との関連性について調べ理解する. | |
備 考 |
前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である.事前学習では,次回の授業範囲について教科書等を読み各自で理解できないところを整理しておくこと.事後学習では,授業中に説明された問題等の復習を行うと共に,授業最後に課題が出された場合は指定期日までにレポートを提出すること. |