科 目 | 化学反応論 ( Chemical Kinetics and Dynamics ) | |||
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担当教員 | 渡辺 昭敬 教授 | |||
対象学年等 | 応用化学専攻・1年・後期・選択・2単位【講義】 | |||
学習・教育 目標 |
A4-AC3(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
化学の基礎となる化学反応論の基礎を学ぶ.講義はゼミナール形式を主体とし,問題演習なども積極的に取り入れていく.また,近年の計算機科学の発達に対応するべく量子化学計算によって素反応過程中における遷移状態の構造決定演習を行う. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-AC3】 素反応機構について理解し,反応に応じて反応方程式をたてることができる. | 2 | 【A4-AC3】 アレニウスの反応速度式について理解する. | 3 | 【A4-AC3】 衝突速度理論と遷移状態理論の両者から速度定数を理論的に導出することができる. | 4 | 【A4-AC3】 遷移状態の構造を量子化学計算を用いて予測することができる. | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 反応次数とその決定法,反応速度式の積分系を求めることができるか中間試験で評価する. | |
2 | アレニウスの式の前指数因子の諸理論での解釈について理解しているか中間試験で評価する. | |||
3 | 衝突速度理論と遷移状態理論の違いを理解しているか中間試験およびレポートで評価する. | |||
4 | 各自が注目した反応系について量子化学計算を行いレポートで評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験70% レポート30% として評価する.試験成績は中間試験の結果を100%とする.100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | 「はじめての化学反応論」:土屋 荘次 著(岩波書店) | |||
参考書 | 「大学院講義物理化学II(第2版) 反応速度論とダイナミクス」:幸田 清一郎 編 (東京化学同人) 「基礎系 化学 物理化学II 化学反応論 (東京大学工学教程) 」:東京大学工学教程編纂委員会 編 (丸善出版) 「電子構造論による化学の探究」第3版:J. B. Foresman・A. Frish共著・川内 進 訳 (ガウシアン社) 「Gaussianプログラムによる量子化学計算マニュアル」:社団法人 新化学発展協会 編 (丸善株式会社) |
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関連科目 | C3 物理化学I, C4 物理化学II, 応用物理I, 応用物理II, C5 物理化学III | |||
履修上の 注意事項 |
物理化学IIの反応速度論を特に理解していることが望ましい. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 化学反応の速度(1) |
反応速度式について理解し,一次反応および二次反応の積分形を導出する. | |
2 | 化学反応の速度(2) |
擬一次反応速度について理解する. | |
3 | 化学反応の速度(3) |
衝撃波法,フラッシュフォトリシス法など,実際に反応速度を実験で求める方法について理解する. | |
4 | 複合反応と素反応 |
複合反応について考える.速度定数の大小関係と速度式の関係について考察する. | |
5 | 分子の衝突と化学反応(1) |
衝突速度理論について二週にわたり理解する.1週目は衝突の式の導出を中心に理解する. | |
6 | 分子の衝突と化学反応(2) |
衝突速度理論について二週にわたり理解する.2週目は衝突から反応速度への記述の変換を中心に理解する. | |
7 | 化学反応の統計理論 −遷移状態理論− (1) |
遷移状態理論について二週にわたり理解する.1週目は遷移状態の構造,平衡論を中心に理解する. | |
8 | 化学反応の統計理論 −遷移状態理論− (2) |
遷移状態理論について二週にわたり理解する.2週目は分配関数を用いて反応速度定数を表す式を求め,アレニウスの式と比較することで遷移状態理論を理解する. | |
9 | 中間試験 |
1週目から8週目までの内容で中間試験を行う. | |
10 | 中間試験の解説 および 量子化学計算入門 |
中間試験について解説する.また量子化学計算の基礎的事項について理解する. | |
11 | 量子化学計算実習 |
量子化学計算を実際に行うことのできるよう,Chemdrawを用いた入力ファイルの作成方法について理解する. | |
12 | 分子化学計算演習(1) |
Gaussianを用いた分子化学計算法について四回にわたり実習する.分子構造の入力方法とシングルポイント計算法について実習する. | |
13 | 分子化学計算演習(2) |
構造最適化の方法,振動数計算の算出方法を実習する. | |
14 | 分子化学計算演習(3) |
遷移状態の構造と熱力学的データの求め方を実習する. | |
15 | 分子化学計算演習(4) |
任意の反応系に於いて反応経路の探索や遷移状態の構造と熱力学定数を求める.結果をレポートにて報告する. | |
備 考 |
後期中間試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である.事前学習として,講義予定の範囲について物理化学I,II,IIIの関連項目の復習が必要である.また,事後学習としてゼミナール中の演習問題に解答し提出することが必要である. |