【 2024 年度 授業概要】

科　　　目			無機合成化学 ( Synthetic Inorganic Chemistry )
担当教員			濱田 守彦 准教授
対象学年等			応用化学専攻・1年・前期・選択・2単位【講義】
学習・教育 目標			A4-AC2(100%)
授業の概要 と方針			無機物質の合成では，共有結合だけでなくイオン結合や配位結合が重要であり，扱う元素の種類も周期表の全体にわたる．また，立体化学の複雑さから，分離操作や選択的合成が必要となることも多い．この多様性に富む無機合成について，液相合成法をはじめとする各種合成法の原理，特徴，応用例を講義する．
到 達 目 標		1	【A4-AC2】 気相合成法および固相合成法の特徴が理解できる．
		2	【A4-AC2】 代表的な液相合成法である析出反応の特徴が理解できる．
		3	【A4-AC2】 液相合成法に関して，加水分解・重縮合反応や水熱合成法，溶融法などの特徴が理解できる．
		4	【A4-AC2】 無機物質の潜在危険性とその安全な取扱い方が理解できる．
		5	【A4-AC2】 無機化合物に対する定常状態の光学特性の測定法， 評価法が理解できる.
		6	【A4-AC2】 無機化合物に対する時間分解光学特性の測定法， 評価法が理解できる.
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評 価 方 法 と 基 準	到 達 目 標 毎	1	気相合成法および固相合成法の特徴について理解し，説明できるかを，中間試験およびレポートで評価する．
		2	代表的な液相合成法である析出反応の特徴について理解し，説明できるかを，中間試験およびレポートで評価する．
		3	液相合成法に関して，加水分解・重縮合反応や水熱合成法，溶融法などの特徴について理解し，説明できるかを，中間試験およびレポートで評価する．
		4	無機物質の潜在危険性とその安全な取扱い方について理解し，説明できるかを，中間試験およびレポートで評価する．
		5	無機化合物に対する定常状態の光学特性の測定法と評価法について理解し，説明できるかを，定期試験およびレポートで評価する．
		6	無機化合物に対する時間分解光学特性の測定法と評価法について理解し，説明できるかを，定期試験およびレポートで評価する．
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	総 合 評 価		成績は，試験70%　レポート30%　として評価する．100点満点で60点以上を合格とする．
テキスト			講義資料（プリント） 「物理化学要論　第7版」P. W. Atkins・J.de.Paula 著・千原 秀昭・稲葉 章 訳 （東京化学同人）
参考書			「溶液を場とする無機合成」：永長久彦 著（培風館） 「第5版 実験化学講座23−無機化合物」：日本化学会 編（丸善） 「第5版 実験化学講座30−化学物質の安全管理」：日本化学会 編（丸善） 「レーザー物理入門」：霜田光一 著（岩波書店） 「光物理学」：櫛田孝司 著（共立出版）
関連科目			C2 無機化学I， 安全管理学， 応用化学実験I（無機合成）， C3 無機化学II， 分析化学II， C4 応用化学実験III（機器分析）， C5 材料化学（無機）， 応用無機化学
履修上の 注意事項			上記関連科目を十分に理解したうえで履修することが望ましい．

【授業計画（ 無機合成化学 ）】

週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	緒論，気相合成法，固相合成法
	無機合成化学の全般的な概要について説明する．液相合成法以外の合成法である気相合成法および固相合成法について説明する．
2	析出反応(1)
	液相合成法のひとつである沈殿法に関して，水酸化物や硫化物を例に挙げ説明する．
3	析出反応(2)
	均一沈殿法および共沈殿法について説明する．
4	加水分解・重縮合反応
	加水分解を伴う重縮合反応を制御するゾル-ゲル法について説明する．
5	水熱合成法
	高温・高圧下の水が反応に関与する水熱合成法について説明する．
6	その他の液相合成法
	その他の液相合成法である溶融法，単結晶合成法などについて説明する．
7	無機化合物と潜在危険性と安全管理
	無機化合物を潜在的な危険性と安全に取り扱う方法を説明する．
8	前期中間試験
	1週目から7週目までの内容で試験を行う．
9	蛍光とりん光
	中間試験の解説を行う．無機化合物，特に半導体における蛍光とりん光について説明する．
10	CWとパルスレーザー(1)
	種々のレーザーとその媒質， 発振原理（反転分布）について説明する.
11	CWとパルスレーザー(2)
	種々のレーザーとその媒質， 発振原理（共振器構造）について説明する.
12	蛍光寿命測定法
	無機化合物におけるパルスレーザーを用いた蛍光寿命測定法について様々な研究論文を紹介しながら説明する．
13	過渡吸収分光法
	無機化合物におけるパルスレーザーを用いた過渡吸収分光法について様々な研究論文を紹介しながら説明する.
14	顕微分光法
	CWレーザーおよびパルスレーザーを用いた顕微分光法について様々な研究論文を紹介しながら説明する．
15	無機合成化学トピックス
	無機合成化学に関する最近のトピックスを紹介する．
備 考	前期中間試験および前期定期試験を実施する． 本科目の修得には，30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である．授業時間内には配付プリントの内容すべてに触れることはできないので，自習すること．事前学習として次週内容のキーワードを事前に調べるレポート課題を課す.事後学習として実施内容についてレポート課題を課す.