教員紹介(機械工学科)
熊野 智之
KUMANO tomoyuki メール:
TEL:078-795-3220
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- 職名
准教授
- 専門分野
ふく射伝熱, エネルギー変換, 波長制御,熱物性
- 現在の研究課題と概要
- 熱光起電力発電システムの実用化に向けた研究
- ふく射冷暖房に関する研究
- 地球温暖化の模擬実験に関する研究
熱光起電力(Thermophotovoltaic:TPV)発電とは,GaSbなどの化合物半導体で構成される熱光起電力電池(TPVセル)に近赤外ふく射を導いて電力を得る,固体素子発電システムである.太陽光発電と比較すると発電密度が大きく,また自由なシステム設計が可能であるため,家庭用ガス発電システムやポータブル電源など多岐に渡る応用が期待されている.
本研究室では,エネルギー循環型のTPV発電システムの実用化を目指し,希土類酸化物膜を用いた波長選択エミッターや拡散光源用の選択透過フィルターなど,構成要素の高度化技術に関する研究を行っている.
体感温度は気温のみならず, 湿度や気流, ふく射など様々な要因に左右される. 特に, 熱容量の大きい壁や床等と人体とのふく射輸送は大きく関わる. 暑さや寒さの原因を分析し, ふく射伝熱が支配的な場合においては人体のふく射による放熱量を制御することが効果的である.
本研究室では, 生活環境におけるふく射伝熱の定量評価を行う手法を検討するとともに, ふく射冷暖房用パネルへの応用を想定した壁面材料の開発に関する研究を行っている.
近年,SDGsや日本における2050年カーボンニュートラル宣言など,地球温暖化への取り組みが注目されている.この流れにおいて,理工学系の学生には脱炭素化がどのように温暖化防止に繋がるのかを理解することが求められる.温暖化のメカニズムを理解するためにはふく射伝熱の知識が必要であるが,高専によっては機械系学科でも伝熱工学の授業が無いなど、ふく射伝熱の学習機会は十分とは言えないのが現状である.
本研究室では, 高等教育機関用教材としての地球温暖化模擬実験装置を開発し,環境・工学教育に活用することを目的とする.
- 研究業績(主要3件)
- 熊野智之,花村克悟,泉宏和,三宅修吾,河野貴裕,中村嘉恵,山田純;”釉薬ベース希土類酸化物膜の焼成プロセスおよび散乱抑制に関する研究”
熱物性 Vol.36, No.1, pp.21-30, (2022). - 熊野智之;”ふく射のエネルギー収支に着目した教育教材としての地球温暖化模擬実験装置の開発”
実験力学 Vol.20,No.4,pp.258-264, (2020). - 熊野智之,磯田和貴,花村克悟;”回折格子型分光器を用いた積層ガラス系の半球透過率測定における偏光特性”
実験力学 Vol.20,No.1,pp.55-60, (2020).
- 所属学会
日本機械学会,日本伝熱学会,日本熱物性学会, 日本実験力学会
- 主な担当教科
応用物理Ⅰ,応用物理Ⅱ,応用光学,機械工学実験Ⅰ,レーザー工学,機械工学演習Ⅱ,情報基礎
- クラブ顧問
空手部,ものづくり研究会